だるねこ日記 2冊目

SPARKS GOGOのLIVEレポ&日記

またつまらぬ物を作ってしまった@仏生山 第3回

ひさしぶりに「またつまらぬ物を作ってしまった」の第3回が香川は仏生山で開幕~!!
ぱちぱちぱち~!!(拍手)
私的アート系スターが集まるイベント

コロナの影響でなんと2年延期になった末の開幕です
後生大事にチケットを保存しててよかったぜ

会場は前回までは古い結婚式場で、めちゃくちゃ風情があってよかったのですが、その式場も今では閉鎖
すごく残念
あの会場のレトロでキッチュで中国の金持ちみたいな調度品
怪しい感じがすごくこのイベントにマッチしてたのにね~

今回の会場は駅前のあたらしい市民施設のホールです
きれいなのはいいんだけどさ
吹き抜けのためすごく声が反響して何言ってるのかわかりにくい
そして反響を逃がすために窓を開けているので寒い

イベントって実際やってみるといろいろアクシデントが出るもんですね~
イベント主催者は雑貨屋さんTOYTOYTOYの店主高柳氏なんですが、すごく苦労したと思います

ホールの吹き抜けから4人が登場

(左から)
フィギュアアーティストのデハラユキノリさん
放課後片思い系妄想発明家のたいがー・りー
芸人&俳優&粘土さ作家の片桐仁さん
おもしろ雑貨アーティスト(?)&ライターの乙幡啓子さん

今回の制作テーマは「ご当地怪獣」
これは2年前に亡くなったフュギュア作家寒河江さんの追悼の意味も込められています
寒河江さんは第1回またつまに飛び入り参加し、「野生のうどん」を発表して会場を震撼させました

まずは作家陣の発表からスタート

まずは乙幡さん
乙幡さんは群馬の出身だそうで、群馬といえば焼きまんじゅう(知らんけど)だそう


これ組み立て式なんですよ
登場時は笹の葉にのったおまんじゅうでした
それに合体ロボみたいに手と足をドッキングさせ、笹の葉を背中にぶっちがいにセットすると焼きまんじゅう怪獣が完成!

強そう
悪そう
焼き目がリアル

そしてもう一つ
群馬で作られているという「呼び込みくん」の怪獣


しかし私「呼び込みくん」というものをそもそもよく知らないんですよね〜
催事なんかで盛り上げるBGMを流すメカ(?)でドンキなんかで売られてるみたいです

乙幡さんはこのメンバーの中では唯一、「常識の範囲内で最高におもしろいものを作る人」なんですよね
狂気はないが着眼点がすごくおもしろい
そしてできたものがかわいい

お次は片桐仁さん


これは一応大阪のご当地怪獣(怪獣というより獣だが)らしいです
フーテンの寅さん+阪神タイガース

ついでに、自分の地元の埼玉の
フーテンの寅さん+西武ライオンズ
ということみたいです

相変わらず技術がすごい
いろいろな素材への造詣も深い

ただあんまり製品化の話はしないで欲しいな〜(冷めちゃう)

このイベントの精神として、よく分からない湧き上がる制作への情熱によってできてしまった作品、もしくはその制作者自身を讃えるものであってほしい

3番手はフィギュアアーティストのデハラユキノリさん


この方は酒飲み天国の高知県出身
酒に飲まれてしまったサラリーマンの怪獣のようです

首のとこにモーターが仕込まれていて、ゲロとともにぐるぐる回ります

○デハラ「ボク機械とか苦手なんですよ」

ということで、メカ部分には苦労したようです
ちなみに途中でバランスを崩して首が取れてました

この人の作品は小学4男子の作品をポップアートにまで押し上げたような作風
デスポップなテイストが外国人にウケるのは分かる気がする

ラストはこのブログではおなじみのたいがー・りー

まずは怪獣関係ない作品を2つ発表


「声すいどう」
片方の蛇口をひねると「しゃーー」という好きな女の子の声(水道の音の声真似)
その声を水を入れたコップに注いで飲む
もう片方の蛇口からは自分の声の「しゃーー」
それをコップの中で混ぜることもできる

○体験した片桐さん
「分からねーーーー!!」

もうひとつは「同棲2」という映像作品

「平井」と書かれたドア
それを開けながら「ただいま」と言って開くと、そこには外の光景が広がってる
(ドアの表札は外じゃなくて内側についていたのである)

これはどういうことかというと、表札をあべこべにつけることによって、自分の部屋と外の世界が逆転し、外の世界が自分の部屋となる

その広大な自分の部屋(世界)には自分の好きな人も住んでいる

すなわちこれは「同棲している」ということになりはしないか

…という作品

この作品一度見たことがあって、その時は感動したんだけど、今回はたいがーの段取りが悪すぎてあまり会場の人もピンときてなかった模様…
もったいないな〜
プレゼン力は大事よ

そして本命のご当地怪獣を発表

○たいがー
「以前、人に聞いたんですが、怪獣の定義とは『暴れる』ということらしいんですよ」
「そこで僕は今ここで怪獣の素(もと)を作ってみようと思います」

取り出したのは中学生の時にたいがーが好きだったという大人しそうなメガネ女子の写真
(卒業アルバムからの切り抜き)
そしてその女の子とつきあっていたというヤンキーの写真

その二つの切り抜き写真をうやうやしくジップロックに入れるたいがー

さらに中学校の時のイケてなかった自分の写真の切り抜きを取り出します

○たいがー
「この中にぼくの写真を入れて、口を閉じます」
「今この中にはパンパンに『暴れ』が詰まっています」

さらに同じような手法であと2袋のジップロックを作るたいがー

この「暴れ」を70億個集めたら怪獣が発現する

…とのことです

なんだかなーー
やっぱすげえわこの人

普通の人に「怪獣を作ってみましょう」と問いかけたら、「どんなデザインにしようかな?」とか「材質は何を作ろうかな?」とかそういう風に考えません?
少なくとも私には怪獣の概念を作るみたいな発想は死んでもでてこない

この人は乙幡さんとは真逆で、常識とか制作技術は一切ないけど狂気をはらんだ斬新な発想がある
(その狂気は人畜無害なのでお子様でも安心)
真の芸術家ってこういう人なんだろうなーと思ってる

ここで前半終了
後半は素人による制作発表です

まずは<自由部門>

「多機能リーゼント」だそうです
長〜いリーゼントの手作りヅラをつけた女性が登場
このリーゼントからロケットパンチが飛び出したり、猫じゃらしが出たりします
制作クオリティは低いんですが、この人が一番「またつま」の精神を分かってると思います
バカバカしいことを一生懸命楽しそうにやる人を見るのが好き

あとは「ひとり4の字固め機」とか

<怪獣部門>

これ千葉の怪獣でピーナッツがモチーフ
中に入るとピーナツにされちゃいます
なんとこれ片桐さんの次男が作ったもの
まだ小学生ながら、一番クオリティが高かった
かわいい!欲しい!
本人もあまりスレてなくて、小学生らしいぶっきらぼうな受け答えでかわいかった〜



どこの県の怪獣か忘れましたが、かまぼこの怪獣です
後ろに稚魚もいます

 


香川が会場ということで、香川の人気商品「おいりソフト」の怪獣2体
(発想がかぶったらしい)
おいりソフトとは「おいり」というカラフルな麩菓子をソフトクリームにまぶしたもの
インスタ映えするので近年人気です

 


これが一番フィギュアとして制作クオリティが高いですね
どこかの県の鬼の祭りがモチーフ
ちゃんと怪獣してる

 


どこかの地方の自動販売機チェーンの怪獣
これ写真の上部に自動販売機があるの分かります?
この自動販売機は地下の怪獣の「実」であって、地下茎でつながっておりどんどん増えていく…というストーリー付きの作品
おもしろい
怪獣の造形も好み

あとは片桐さんの奥様制作のナナフシのストールだの、タイル職人によるうどんとか県のパズルとかすねこすりとかお面とか


謎だったのがこの人
ハイクオリティなスチームパンク河童
手には自分でなめしたという狸の毛皮(顔つき)を持ってた
怖えーよー
怪獣を作るんじゃなくて連れてきやがった(笑)

ということで無事第3回目は終了!
おもしろかったー
こういうイベント久しぶりに行けて楽しかったな
次回も期待〜