だるねこ日記 2冊目

SPARKS GOGOのLIVEレポ&日記

【2月の本】「そうざい料理帖」「違国日記」

2月に読んだ本のメモ


●「そうざい料理帖 巻一、二」池波正太郎

鬼平犯科帳などで有名な池波先生の軽めの料理エッセイ

池波正太郎の時代小説にはしばしば美味しそうな場面が出てくる
鬼平が行きつけの小料理屋で、あさりと浅葱を小鍋で煮て一杯やって、最後はごはんを入れて雑炊にしたりする
マジで美味しそう

池波先生はそれを地でいってるのである
といっても自分で料理するわけではなく、妻に作らせたり銀座へ食べに行ったり
昭和の文豪って感じですなあ
なかなかに亭主関白な場面もあるけど、まあこれは時代ですね
食べたものを日記のように毎日メモしてたり、先生は食べることが本当にお好きなよう

がんばれば1時間くらいで読める内容だけど、昼休みとかに1章か2章ちびちび読んだ

 


●「違国日記1〜11巻(完結)」ヤマシタトモコ(漫画)

ちょっと気になってたので大人買い

35歳独身の少女小説家の槙生(まきお)の姉夫婦が交通事故死した
槙生は死んだ姉とは性格が合わず絶縁しており、死んだ今でも許すことができないほど確執がある
成り行きで1人残されたの女子高生の朝(あさ)を引き取るハメになり、ぎこちない同居生活がはじまる

衝撃的な出来事は冒頭だけで、あとは槙生と朝の生活がすすんでいく

斬新だと思ったのが、中心人物である朝が普通の女子高生なこと

漫画ってやっぱり特別な才能があったり、容姿がすごくかわいかったり、強い意志があったりする子の物語が多いじゃないですか

朝は素直に育てられた普通の子で、その描写がすごくリアル

たとえば

「『両親が死んでいるちょっと特別な子』と思われたくて、初対面の同級生に話してしまう」
とか
「やっとの思いで同性愛を打ち明けてきた幼なじみに対して『そういう友達がいるのってちょっとカッコイイし』」みたいな返しをする
とか

基本的には素直でとてもいい子なのだが、ちょいちょい子供らしいイタさや無神経さがのぞく
でも15歳ごろって一部の大人びた子以外はマジでこんな感じだよね

物語がすすむにつれ、本人らや周りの人の状況や心情が徐々に明かされるのだが、はっきりとは描かれないものも多い

読者はセリフのないコマやわずかな表情から「なぜ姉はあの夫と結婚したのか」とか「夫は朝を愛していたのか」などの疑問の答えを想像する

なんだか漫画というより純文学を読んだあとのような不思議な読後感だった
何度か読み返してみたい

今度ガッキー主演で映画になるらしい
ガッキー=槙生らしいがガッキーがかわいすぎてあまり合ってないような…
槙生は美人だがめんどくさい性格で孤独な狼のような女なのに〜
私のイメージはむしろ「朝=15歳頃のガッキー、槙生=35歳頃の吉田羊」かな