3月に読んだ本のメモ
●「出会い系サイトで70人と実際にあってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと」花田菜々子
タイトルがクソ長いけど、内容はそっくりこのまんまのドキュメンタリー
(たぶん夫に浮気されて)離婚寸前、さらに仕事上の悩みを抱えた30代女性が出会い系サイトに登録する
出会い系といっても色恋だけのものではなく、マッチングした人と「時間とテーマと場所を決めてお話ししましょう」というもの
たとえば「○日○時に新宿のカフェで30分本の話をしましょう」みたいな感じ
いや〜
都会じゃないと成立しないシステムだなぁ
ちなみになぜこの人が本をすすめるかというと、この人は初期の下北沢ヴィレバンの店長で本の仕入れの知識には自信があったため
サイトに登録後はガンガン人と会っていく
色恋目当てのサイトじゃなくてもどうにかそっちに持って行こうとする男、なんだか怪しげなビジネスの人、勧めた本にダメ出しする男などいろいろ
でも普段の生活では繋がれないおもしろい人もいっぱい出会っていく
筆者は次第に煮詰まっていた状況から決断を選び、人生がふたたび動きはじめる…
スラスラ読めるしなかなかおもしろかった
人生煮詰まり気味で絶望している人や人生に退屈している人には、ある種の打開策の提示だと思う
いろいろな人に会うことによって悩みが薄まったり、意外なところからヒントをもらったり、人との繋がりができたり…
悩んでいる人は「とにかく動いて人に会う」というのはいいかもしれません
まあその分エネルギーも必要とするだろうけど
ただなんとなく読後感が良くないのは、この人がサブカルを煮詰めたような女なのでちょっと鼻につくからかなぁ
さっきと打って変わって清浄な本です
星野道夫さんは有名な動物写真家でわたしは小学校のころから好きでした
図書館でよく動物写真集をながめていたものです
ところが星野さんは移住していたアラスカで撮影キャンプ中にヒグマに襲われて亡くなってしまったのでした
まだ43歳でした
当時はショックだったな〜…
この本はアラスカに住む星野さんがまわりの人や自然などについて書いたエッセイ
なんというか、アラスカの生活は日本とはなにもかもが違って、すごい体験をしてるのに淡々と冷静で美しい文章なんですよね
遠くに住む親戚の優しいおじさんから手紙をもらってるかのようです
名著と呼ばれるのが分かる気がします
なんとなく人生のうちにもう何度か読んだ方がいい気がするので、売ったりせず手元に置いておこうっと