今回は初上陸の大島です
初回の2010年から瀬戸芸の会場になっていたのになぜ初上陸かというと…
ここはハンセン病の療養施設がある島であり、初回は自由な渡航ができずツアーを予約しなければならなかったためです
あと、つらい歴史の島なので正直二の足を踏んでたというか…
今回はコロナのため渡航人数制限がある中、行ってきました(予約はいりませんでした)
美しい島なのですよここは
まずはこえび隊のガイドツアーに参加
やはり歴史を知っておかなければね
物見遊山だけじゃなぁ…
この島は1907年にハンセン病患者隔離の法律ができたあと建てられたもの
なんと1996年というわりと最近まで隔離されており、自由な行き来が禁止されていました
今でも数十名のお年寄りの元患者が暮らしています
(帰る故郷がない…)
ちなみにハンセン病は伝染病ではあるけど、すごく低い伝染力
末梢神経がやられ、目が見えなくなったり皮膚に異常を起こしたりするのですが、今では完全に治療できるそう
もののけ姫に出てきたタタラ場の包帯を巻いた人たちはハンセン病患者らしいです
突然家族と無理やり隔離され、会うことも許されず、家族も激しい差別にあうため隠し通していた
患者同士の結婚は許されてたけど、子どもを持つことは許されず堕胎させられていたとか、死後は必ず解剖されていたとか
つらい歴史です
島には慰霊碑と鎮魂のお堂があります
「稀有の触手」
入所者が住んでた寮をリノベして作品にしたもの
一時は入所者が多く、一部屋に6人くらいで暮らしていたそう
「声の楔」
石に刻まれた入所者の詩
田島征三「青空水族館」
アーティスト数人による海に関する作品展示
田島征三「Nさんの人生・大島七十年」子どものころから大島で隔離されて暮らしたNさんという人の人生を、絵本作家の田島征三がインスタレーションとして表現
けっこう鑑賞するのがつらい…
巡回回診に来る医者と看護婦は、いつも自分の寝床に土足であがってきたとか…
うーん…
鴻池朋子「リングワンデルング」
かつてあったという、大島をぐるりと巡る散策道を再整備したもの
島を一周する山道を歩くちょっとしたハイキングロードになっています
散策道から見える景色は美しい
島からの脱出口も新たに設置された
実際に対岸の漁師を結託して脱走するということはよくあったらしい
山頂部からかつての居住エリアが見える
寮が立ち並び、畑だった場所もある
思った通り、心情的にまあまあ重くなっちゃいましたね
でも知っておかなければいけないことだと思います
正直、差別はいけないことだけど、まだ治療法が確立されておらず、医療の知識のなかった昔の人が伝染病におびえて感染者とつきあいを絶ってしまう気持ちは分からなくはありません
その人たちだって家族を守りたかったでしょうし
問題はすでに伝染性が極めて低いことが分かり、治療法が確立されたにもかかわらず、近年まで隔離政策がとられ差別が続いていたことが問題なのです
せめて20年早ければ…
まだ生きている家族と再会できた人も多くいたと思います
この島で生きる孤独は私には理解しようがないけれど
せめてこの島が美しいことがなぐさめになったことを願いたいです