だるねこ日記 2冊目

SPARKS GOGOのLIVEレポ&日記

【4月の本】「言い寄る」田辺聖子、「センセイの鞄」川上弘美

4月に読んだ本のメモ

 

「なぜかAmazonのカートに突っ込んだまま放置してある本」を読んでいくということをやっています

「言い寄る」田辺聖子
高校〜大学生の時にわりと読んでいた田辺聖子
もう20年以上読んでない気がしますが、なんでカートに入れたんだろう
2、3年前亡くなった時に書評でも読んだのかな?


あらすじ
大阪のデザイナー乃里子は31歳
ある日親友の美々から「妊娠したけど彼氏が結婚してくれない」との相談を受ける。
相手の男とその友達、4人で会って話をつけることになり…。
という始まり。乃里子は魅力的な女性で恋愛に関してさばけた大人の都会の女って感じ
でも実はおさななじみのナヨっとした五郎が大好きで、彼の前では何も言えなくなる
そんな乃里子の恋模様

 

私はあまり興味ない恋愛ものなんですが、とにかく文章がうまいのにびっくり
会話は大阪弁だし、平易な言葉しか使ってないのに、情景や心情が流れるように頭に入る
大人になって改めて読むと、さすが名を残す人はすごいな〜と思わされる


次々にいい男があらわれ、気軽に恋愛ゲームをして…
バブルの頃のあの恋愛至上主義みたいな時代のお話かな
華やかな時代で景気も良くていいこっちゃ

とか思って、最後に奥付をみたら初出1973年???
50年前の作品??

度肝を抜かれました
50年前といえば、20代前半で絶対結婚、花嫁修行して専業主婦当たり前の時代ですよ?

31歳独身、フリーのデザイナー
男たちと自由に恋愛する女性

これだけでもあの時代斬新すぎる設定ではないですか
しかも内容もスマホが登場しないことをのぞけば、令和でもまったく違和感のない内容
あの時代にこれを書いたのすごすぎる…


主人公の乃里子が魅力的なのは、奔放にみえて、ちゃんと純情は大事にしていること
男に媚びず、ぽんぽん言い返すのになんだか素直でかわいらしいところ
友達にピンチがおとずれた時、ちゃんと大人の対応や手続きができること
つらい失恋をしたのに、当事者たちの前では大人として普通にふるまうとこ

田辺さんもお気に入りの主人公のようで、続編があるようです
読んでみようかな〜

 

センセイの鞄川上弘美

読んで見たらこれも恋愛ものでした

 

あらすじ
37歳の独身女性月子

一人飲みが趣味の彼女は20年ぶりくらいに高校の恩師に再会し、なんとなく飲み友達になる
センセイは30歳年の離れた紳士で、嫁には20年前に逃げられている
上品でユーモアがあり、落ち着いていてお酒が好き
いつも約束するわけでもなく、いきつけの居酒屋で会ったら一緒に飲む感じ
たまには一緒にきのこ狩りに出かけたりもする

内容がすごくおもしろいというわけではないのですが、とにかくこのセンセイがタイプなんです私(枯れ専)
上品で偏屈でおもしろいジイさんがすごい好き
この作品の魅力はそれに尽きますね

後半はわりと予想できる展開で、ラストも予想通りのラストで「まあそうですよね」って感じ
でもそれでいいのだ
もう一度読もうかな