だるねこ日記 2冊目

SPARKS GOGOのLIVEレポ&日記

弥生美術館「山岸凉子展 」&竹久夢二美術館

東京2日目のはなし
ヒマだったので「山岸凉子 」を見に上野の弥生美術館へ




山岸凉子は少女漫画家
日出処の天子(ひいずるとこのてんし)」や「アラベスク」「テレプシコーラ」が有名な作品

子どもの頃は絵柄が好みじゃなかったので全然読んだことなかった
でも10年前くらいになんとなく「日出処の天子」を古本屋で大人買いしたらメチャおもしろかった

日出処の天子」はカンタンに言えば聖徳太子の少年~青年時代の話
一応、歴史的事実はすべて忠実になぞってますが、人物像に大胆な解釈を取り入れてます

厩戸皇子聖徳太子)は女と見まごう美少年として描かれ、冷酷なまでに聡明で、わずかながら超常現象も操ることができる人物
だがその能力のため実母にうとまれ内心は孤独を抱えている
そこへ蘇我毛人(えみし/蝦夷)と知り合い、素直な毛人に心惹かれていく…といった話です

こうして書くとなんか安っぽく感じるけど、すごい名作です
歴史物であり、同性愛ものであり(BLとは言いたくない)、オカルトサスペンスでもあります


今回はその「日出処の天子」も含む原画展
小さな美術館には私よりちょっと年上のお姉様方(アラフィフ)でみちみちてました



展示は複製原画、本物の原画、カラーページが載った当時の雑誌などなど

ペン入れした原画はすごくきれい
カラー原画もとても美しいです

「月読」の原画が良かったな~


初期のバレエマンガ「アラベスク」は目キラッキラの少女漫画なのであまり興味ないのですが、近年の作品の「テレプシコーラ」の原画は興味深かった
山岸先生自身がバレエをやってるせいか、リアルタッチの絵柄じゃないのにちゃんと説得力のあるポーズをしてる

テレプシコーラもおもしろいんだよな~
ち、千花ちゃ~ん…

ほかにも天人唐草(トラウマになってる女多し)、鬼子母神、馬屋古女王、月読などなど名作多数
山岸先生って1947年生まれだけどいまだにバリバリの現役で筆も冴えてるんだよな~
年を取って意欲を失って劣化する漫画家が多い中、すごいことですわ


× × × × × ×


同じチケットでお隣の竹久夢二美術館も観覧できたのでついでに見てきました

今回は「竹久夢二 本からはじまるメッセージ展」と題して、夢二が手がけた装丁本の展示が中心
箱入りの本などが展示されているらしい

竹久夢二といえば、なよっとした美人の女性を描く大正時代の女たらしの画家
あまり好みじゃないんだよな…


しかし装丁した本を見てみて評価が変わった

この人すごい
箱のイラスト、中の本の表紙のイラスト、タイトルの描き文字、遊び紙の模様
すべてカッコよかったりかわいかったり、バランスも完璧

あー 
この人女性ばっかり描くただの絵描きじゃないんだ
すごいグラフィックデザイナーなんだ
私が半分しか知らなかっただけなんだなー

しっかし昔の人ってパソコンとか使わなくてもほんとすごいデザインするよなー



銀座千疋屋の広告(雑誌広告と果物情報誌の表紙)
複製絵はがきなんで今イチすごさが伝わりませんが、文句のつけようのないデザイン